閏年(うるう年)はなぜあるのか?

 2月は特別な月です。そう、日数が28日しかありません。

 そんな2月が29日になる年があります。それを、閏(うるう)年といいます。

 4年に1回、西暦で4の倍数となる年がうるう年です。今年(2008年)はうるう年です。

 しかし、例外があります。100の倍数の年、例えば1900年、2100年、2200年は4の倍数だけど、うるう年ではありません。

 さらに例外があります。400の倍数の年、例えば1600年、2000年、2400年は、100の倍数だけど、うるう年、ということにします。

 

 では、なぜうるう年はあるんでしょうか? そして、なぜ上のような決まりがあるんでしょうか。それを今から解説していきましょう。

「それは、地球が太陽の周りを一周するのが、365日ではないからよ」

 その通り! って、祥子さまお久しぶりですね。

 

「ええ、ごきげんよう」

 では、祥子さま、地球が太陽の周りを一周するのは、何日なのですか?

「約365.2422日よ」

 ここで、時間と暦について、少し解説しましょう。

 昔の人々は、日が昇って、沈み、再び日が昇るまでを、1日と考えて、それを24等分して1時間、さらにそれを60等分して1分、もう一度60等分して1秒と考えました。

 ただ、その決め方は科学的ではないので、現代の科学では、まず1秒を決めます。1秒という時間はこれぐらいの長さであると、まず決めるのです。そして、その60倍を1分、さらに60倍を1時間、そして、24時間を1日と決めます。

 1年というのは、地球が太陽の周りを一回りするのにかかる時間です。でも、それはだいたいそれぐらい、ということで、正確には365日と0.2422日かかります。0.2422日は、計算すると約6時間なので、365日と6時間かけて、地球は太陽の周りを一回りします。

「古代エジプトの人々は、そのことを既に知っていたらしいわね」

 そうなんですよ。今から2000年以上前に、すでにそのことを知っていたんです。彼らは天文学を使って、そのことを計算したんです。

「暦(こよみ)は天文学と深い関係があるのよ。天文学の発達と共に、暦が生まれた、と言ってもいいぐらいかしら」

 ええ、昔の人々は、天体の動きから、季節の変化などを知ったんですね。そこから暦が生まれたんですよね。

 話をもどしましょう。地球が太陽の周りを1周するのが、ちょうど365日ではなく、0.2422日あまるので、1年を365日にしてしまうと、毎年少しずつずれてきます。すると、どういうことが起きるか?

「7月なのに、春、ということが起きるわね」

 そうです。例えば、うるう年を作らないで、360年間そのままにしておくと、0.2422日×360で、約90日分、季節が遅くなります。なので、暦の上では7月なのに、実際には春の季節(だいたい4月頃)ということになってしまいます。

 これではマズイので、0.2422日埋め合わせる必要がありますね。そこで、4年に1回、366日にします。

 なぜ、4年に1回なのか、というと、0.2422日のずれは、4年分で、1日のずれになります。このずれ、というのは、要するに1日足りない、ということなので、4年に1回、1日増やせばいい、ということなんです。

「でも、それは違うのではなくて?」

 それはどうしてですか、祥子さま。

「あなた、今、0.2422日のずれは4年で1日と言ったけど、ちゃんと計算したら、0.9688日のずれよ。だから、1日増やすと、逆に0.0312日余るのよ」

 ええ、鋭い所に気がつきましたね。

「なんだ、知ってたの」

 そう、4年に1回うるう年を作ると、今度は、0.0312日余ってしまいます。これは、4年で0.0312日余るので、1年では0.0078日余る計算になります。たった0.0078日でも、百年単位、千年単位では、季節のずれが起きてしまいます。

 そこで、余っているので、うるう年を何年分か、減らす必要があります。

「だから、100年に1回、うるう年が無い年を作るのね」

 そうです。西暦が100の倍数となる年、つまり1800年、1900年、2100年は、うるう年をなくすことにします。

「じゃあ、ずれが無くなるか、ちょっと計算してみて」

 0.0078日のずれは、100年分で、0.78日になります。100年で、0.78日、つまり約1日余るので、100年に1回うるう年をなくせば、1日けずれるので、うまくいく、と言いたいところですが、0.78日から1日減らすので、今度は、0.22日足りなくなってしまいます。

「100年で0.22日って、1年で言うと、0.0022日、つまり約3分だけ足りなくなるわね」

 まあ、たった3分ですが、たとえ3分でも、千年単位で見れば大きなずれになってきます。

 そこで、足りない分を、増やさないといけないんですね。さっき、100の倍数の年は、うるう年を無くしたわけですが、これではうるう年を減らしすぎたので、特例を作ることにします。

「400の倍数の年は、うるう年にするのよね」

 そうです。西暦2000年や1600年は、うるう年は「アリ」にします。なので、8年前の西暦2000年のカレンダーを見ると、ちゃんと2月29日があったはずです。

 0.0022日足りなくなるのは、400年分で考えれば、0.88日、約1日足りなくなります。そこで、400の倍数の年はうるう年にすれば、1日増えるので、ちょうど打ち消します。

「でも、それでもやっぱり余るじゃない」

 確かに、0.88日足りないのに、1日増やすと、0.12日余ります。これは400年で、0.12日余るので、1年では0.0003日余ります。0.0003日というのは、26秒です。一年でたった26秒なら、まあいいか、ということなので、うるう年の調節はこれ以上はしないことにしたわけです。

「わたくし、うるう秒というのを聞いたことがあるのだけれど、これとは関係ないの?」

 たまに、うるう秒と言って、1秒だけ時間を増やしたり減らしたりすることがあるんですが、これはうるう年とはまた別の理由です。

 うるう年は、太陽の周りを地球が回ること(公転)のずれ、と関係した話です。しかし、地球は公転以外にも、自転(一日一回くるっと回る)します。この自転にもずれがあって、この自転を調節するのが、うるう秒なんです。

「そうなの」

 ええ、そうなんです。あと、1年で26秒のずれにあまりこだわらない理由をもう少し補足すると、実は地球が太陽の周りを一回りするのにかかる時間というのは、実は毎年違うんです。365.2422日は、平均をとった値のことなんです。

「つまり、太陽の周りを一周する時間が毎年違うんだから、26秒ぐらいなら気にする必要ないってことかしら?」

 ええ、その通りです。

 以上、祥子さまと私の「うるう秒講座」でした。

「私の、は余計よ」

 

 

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