大容量ハードディスクの罠

 "Big Drive"もしくは"48bit LBA"という言葉を知っているだろうか。Big Driveとは、ハードディスクメーカーMaxtor社が提唱した規格で137GBを超えるハードディスクを接続することが出来るものである。Big Driveというのは、業界共通の名称ではなく、企業によって呼び名が違っていて、48bit LBAはそのひとつである(Microsoft社はこの呼び名を使っている)。

 要するに、これまではハードディスク一台あたり137GBしかデータを入れられなかったけど、これからは160GBとか250GBとか入れられるよという規格である。そして、この規格は現在ではふつうのものとして受け入れられていて、パソコンショップに行けば、160GBや250GBのハードディスクは普通に売ってある。

 しかし、だ。この137GBを超える大容量ハードディスクには気をつけなければならないのだ。もし買ったもしくは自作したパソコンが次のようなものであるなら、あまり心配する必要はない。

■もしメーカー製のパソコンを使用しているなら、そのパソコンが十分新しいものであり、またWindowsXP(SP1適用以降)をインストールしている。

■もし自作パソコンを使用しているなら、そのパソコンのマザーボードが十分新しいものであり、WindowsXP(SP1適用以降)をOSとしてインストールしている。

 ここで「十分新しい」というのが具体的にどれぐらいかということは明確には述べることは出来ないが、だいたいここ一年半以内に発売されたものならば大丈夫な気がするが、それでも製品によって変わってくるので確証はない。

 Big Driveが有効であるためには、マザーボードがそれに対応していることと、OSがそれに対応していることの両方が必要である。マザーボードに関して言うと、最近のマザーボードはまず大丈夫だと思う。

 で、くせ者なのがOSで、WindowsXPであってもSP1以降が適用されていないものではだめなのだ。またWindows2000 ProffesionalはSP3以降サポートしている。だがXPと2000では大きく違う部分があって、それはXPの場合SP1が適用された時点でデフォルトでBig Drive(48bit LBA)が有効になるが、2000の場合SP3を適用しても、レジストリを手動で書き換えなければ有効にならないのである。手動書き換えについては下のアドレスを参照。

http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;305098

 もし今から自作パソコンを作ろうとするとき、OSとしてWindows2000ProfessionalやSP非適用のWindowsXPをインストールするときは、気をつける必要がある。というのも、インストール時に行うハードディスクのフォーマット及びパーティショニング時に、パソコンが137GB以上を認識してくれないのだ。だからせっかく大容量ディスクを買っても、全部の容量を使用することが出来ないのだ。宝の持ち腐れである。

 それだけではない。そのままBig Driveを有効にしないままおいておくと、下手をすると突然システムが終了して、ハードディスクのデータが消えたりする可能性もある。実際、私は160GBのハードディスクを買ってきた後、Windows2000 Professionalをインストールし、SP4も適用させたが、Big Driveのことをよく知らず、手動でレジストリを書き換えることをしなかった。137GBしか使えなかったが、まあそのうちなんとかしようという程度で考えていたのもつかのま、インストール後2日目に、突如システムが操作不能になり、そのままハードディスクのデータは全消去という憂き目にあったのである。

 もしかしたらハードディスクの初期不良の可能性も疑ったが、不良セクタ等は見つからず、またその後の動作が安定していることを考えても、原因はどうやらBig Driveの件にあるようである。実際、Microsoft社のホームページでは、Big Driveを有効にしないまま大容量ハードディスクを使用し続けると、データが失われる可能性があるとの注意記載がある。

 そこで、Windows2000 Professionalをインストールするときは、とりあえず10GB程度のパーティションを作って、そこにとりあえずシステムをインストールした後、SP3以上を適用し、かつレジストリを手動で書き換えた上で、残りの容量をフォーマットすることが重要になる。

 もしあなたがすでにBig Driveが有効であるパソコンで137GB以上のハードディスクをフォーマットした後、それにBig Drive未対応のOS(Windows2000 Professionalなど)をインストールするときでも、一応インストール時に見かけでは137GB以上を認識してくれているように見えるが、とりあえず10GB程度のパーティションを区切って、そこにインストールするべきである。でなければ後どのようなことが起こるかまったく保証できないのである。

 インストール時におけるこうした問題を避けるにはどうすればいいかというと、それは次の通りである。

WindowsXPのSP1以降など最初からBig Driveに対応しているOSを使う。

120GBなど、Big Driveに抵触しないハードディスクを使う。

 最近は大容量のハードディスク(300GBも登場した)が普通に売っているけど、大は小を兼ねるとはなかなか行かないようである。

 

 

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